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2018.08.16

建築に関わるはてな。外皮計算とその計算方法とは?

 

建築界隈で耳にする「外皮性能」という言葉。
外皮とは、屋根や天井、外壁、床、開口部など、室内と屋外で熱的に境界となる部位を指しています。

外皮の性能は、省エネなど、現代の住宅を考える上ではとても重要になっています。
今回はそうした外皮性能を求めるための外皮計算について、その計算方法とともにご紹介します。

〇外皮計算とは

外皮計算とは、「外皮平均熱貫流率(UA値)」を算出する計算のことを言います。
UA値とは、建物の内外の温度差が1度の場合の熱損失量を表す数値です。
UA値が低いほど熱が逃げづらく、断熱性能が高いことになります。

〇外皮計算の方法

外皮計算をするにあたって、外皮性能の基準となるものには、外皮平均熱貫流率と冷房期の平均日射熱取得率の2つが挙げられます。

1.外皮平均熱貫流率

外皮の面積の合計である害比表面積を建物全体の熱損失の合計の値である単位温度差当たりの総熱損失量で割ります。

外皮熱貫流を計算するにあたっては、まず各部位の熱損失を求めなくてはなりません。
部位の熱損失は、部位の熱貫流率と部位の面積、温度差係数をかけることで求められます。

熱貫流率とは壁や窓の断熱性能を表す指標で、温度差係数とは室内外の温度差の程度を表す指標です。
住宅の熱損失量を求めるには、この各部位の熱損失量を合計することで算出できます。

2.平均日射熱取得率

外皮表面積を侵入する日射熱の合計である単位日射強度当たりの総日射熱取得料で割り、それに100をかけてだした値です。

冷房期の平均日射熱取得率は、部位の日射熱取得率と部位の面積、方位係数をかけることで求めることができます。
日射熱取得率とは日射熱の室内への侵入の程度を表す指標です。
方位係数とは日射の影響は地域、方位によって異なるため、地域区分や方位ごとに日射熱取得料を補正するための数値です。

〇外皮性能の必要度

外皮性能基準の性能値は日本の各地域によって異なります。
北海道などの緯度の高い地域は外皮性能基準の性能値は低く、沖縄に近づいていくほど性能値は高くなります。
これはつまり、どんな気候条件のもとにお住まいであるかによって、必要となる断熱性能の程度が変わってくるということです。

〇まとめ

外皮性能は建築業者の方が建築の際に求めるもので、一般の方はあまり目にすることはないかもしれません。
しかし、外皮性能は住居で快適に過ごすためには必須と言っていい概念です。

そのため依頼主もこの情報を知っていることで、建築会社と対等の立場に立ってより良い家をつくることができるようになります。
ぜひ外皮計算を学んでより良い家を建ててくださいね。